毒親の連鎖 映画「8月の家族たち」
posted on :
□ 映画のあれこれ
新作映画ではないのですが
今年のはじめに観た映画『8月の家族たち』の紹介です。
この映画に、副題を自由につけてもいいよ!と言われたら、私は迷わず
8月の家族たち
〜毒親の連鎖〜
にします。
専門家ではないので、あくまでも個人的な意見ですが、毒親は連鎖する。全く同じパターンではなくても、子供に”違うかたち”で連鎖してしまうと思っているからです。

毒親の連鎖 映画 8月の家族たち
YouTube にあげられている予告を観ると、前半に使用されている音楽といい、ハチャメチャ感でコメディータッチにみえますが、実際は予告のイメージとは異なり、心にグッときて目が潤み、涙があふれそうになるシーンが幾つもありました。
久しぶりに見終わった後、いろいろと考えさせられた映画だったのです。
ストーリーには家族の秘密もあり、観る前にあまり情報を入れない方が良いと思うので、あらすじ等の詳細は書きませんが、ベネディクト・カンバーバッチが演じるチャールズが非常に印象的でした。
自分の生んだ子供なのに、母親がチャールズに対してバカ扱いをするというか、見下したような対応をするのです。その類いのシーンは観ていてツラかった…
主人公のバイオレット(メリル・ストリープ)が一番強烈なのですが、彼女は人が傷ついている様子をみて笑ったり、喜ぶ、信じられないような人間性の持ち主!観ていて疲れてくるというか、けっこう キ・ツ・イ ものがあります。

毒親の連鎖 映画「8月の家族たち」
私はドイツに来て、初めて住んだ家は30代前半のドイツ人女性がオーナーのアパート。彼女から一部屋を借りて3ヶ月のみルーム・シェアをしていました。
彼女の母が時々、訪問してくるのですが、驚くような口論を度々リビングルームで繰り広げ、何を母親から言われたのかわからないのですが、子供のようにギャン泣きしながら私の部屋に逃げ込んでくるのです。
もう、ビーーーックリしました。母親と喧嘩してギャン泣きするなんて… 私は子供の時のみです。
娘が交際している男性の悪口を、わざわざ他人の私に言ってくるような母親だったので、毒親だったのかな?と思うのですが、娘は娘で母親の事を高圧的でコントロールしようとすると私に愚痴を言うのです。
私は彼女の事を「高圧的でコントロールしようとする人」と感じていたので、二度驚いたのですが、嫌っていたはずの親のイヤな部分を知らず知らず、自分も受け継いでいたという事が私自身にもあるのかもしれない…と考えるきっかけになりました。
他、映画ではないのですが、まだ日本に住んでいた頃に「毒になる親 一生苦しむ子供」スーザン・フォワード (著)を読んだ事があります。毒親で悩んでいる方には特に一読の価値があるのではないかと思います。
[amazonjs asin=”B00LTDB3K8″ locale=”JP” title=”8月の家族たち ブルーレイ&DVD セット (初回限定生産/2枚組) Blu-ray”]
レビュー数がかなり多いのに驚いたのですが、毒親に悩んだ経験のある方や現在進行形で悩み中の方が本当に少なくないのだと痛感しました。
毒親の連鎖を断つためにも、被害者だったはずの自分が親となって、いつにまにやら似たような毒親になっていた…という事にならないように。また、繰り返さないように「気づく事」が大事なんだなと思いました。
[amazonjs asin=”4062565587″ locale=”JP” title=”毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)”]
※ 当ブログの[映画のあれこれ]カテゴリで使用している映画の画像はあくまでも情報提供のコンテンツとして利用させていただいています。
You might also like
-
-
シルクが似合う女
最近、地下鉄でみかけたジョシュア・ベルのコンサート・ポスターでふと思い出した映画「ラヴェンダーの咲く
-
-
あなたの人生の物語の映画化 メッセージ 原題はArrival
テッド・チャンというSF作家をご存知でしょうか? 私は11月11日に米国公開されるこのTraile
-
-
小さな映画館 LUMIER で エクス・マキナ を観た!
日本の映画料金よりも安いので、ベルリンに住んでいた頃は映画館へよく行ってました。まず、10ユーロを超
-
-
オーストリアで、映画『ビフォア ミッドナイト』を思い出す
今日は オーストリアで11世紀の要塞城に宿泊(3) の続きはつづきなのですが、前回、詳細は「次の記
-
-
スカーフを頭に巻くスタイル
映画の中のファッションも取り上げたい!と思い 2001年の作品、アラン ルドルフ監督の ”◎×▽
-
-
ゲオルク・トラークル から ギュンター・アイヒ
ある日、オーストリア人の友人から「Georg Trakl (ゲオルク・トラークル) を読んだ事がある
-
-
第65回ベルリン国際映画祭
1月の中旬あたりから、バス停や駅など、様々な場所に街中、張り出されていた『第65回ベルリン国際映画祭
-
-
Ex Machina(エクス・マキナ)の舞台となったホテル
小さな映画館 LUMIER で エクス・マキナ を観た! の続きになります。 映画館 LUM
-
-
壁の色と壁紙の関係
今年の5月6月とアルトバウ (築100年以上の古い建物) 中心に家探しにあけくれていました。本当にい
-
-
「メリンダとメリンダ」キッチン・インテリアのヒント
映画「メリンダとメリンダ」からキッチン・インテリアのヒントあり! 映画 メリンダとメリンダ[
- PREV
- 小さな専門店が面白い!Le Papillon
- NEXT
- 昔から食器類は人に割られてしまう...
Warning: call_user_func_array() expects parameter 1 to be a valid callback, function 'filter_media_comment_status' not found or invalid function name in /home/dill-objects/dillobjects.com/public_html/wp-includes/class-wp-hook.php on line 287